[撮影四方山話] 上を向いて歩こう!
- オリジナル・シー・ヴイ代表の末次です。
私のマンションを出たすぐのところに並木があります。ケヤキだと思っていたのですが、実はムクノキでした。10年以上ここで生活しているのに知らなかったとはトホホ。
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<目次>
1.[撮影四方山話] 上を向いて歩こう!
2.先月のイチオシ!! ビデオ作品 →「稲葉正先生 最期のご挨拶」
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1.[撮影四方山話] 上を向いて歩こう!
昨年辺りから、4月の朝のジョギングが楽しくて仕方が無いのです。近くの公園にはたくさんの樹木があり、それが一斉に芽吹きます。新芽が出て花をつけるこの時期だからこそ、樹木の名前を特定しやすいのです。
オオシマザクラやソメイヨシノが花吹雪となり散ってしまっても、コナラ、キブシ、イヌシデ、ヤマクワ、シラカシ、ムクノキ、イロハモミジなどが新芽を出しています。これから、ケヤキ、ツツジ、ミズキなども芽や花をつけてくれるでしょう。
実を言うと、私は昨年前まで樹木についてまったくの音痴でした。
「桜切るバカ、梅切らぬバカ。」
この程度知っておけば十分だろうと思っていたのです。昨年、新芽のあまりの美しさに、本棚にツンドクとなっていた植物図鑑を開いたら、ハマッてしまいました。
樹木の名前を特定するにはよく観察しなければなりません。樹木の形、葉の形状、枝の付け方は互生か対生か、幹の層はどうなっているかなどです。
そうすると、1本1本の木がとても個性的に見えてきたのです。
それにもうひとつ良いことがあります。樹木の葉を見るから自然と目線が上を向きます。世の中がうつむいているからと言って、それに合わせる必要はまったくありません。上を向いて歩いて行こうと思うのです。
2.先月のイチオシ!! ビデオ作品
作品名「稲葉正先生 最期のご挨拶」
編集 Original CV 制作 池田浩隆様
作品時間 72分
東北大震災の影響もあり、関係する皆様へのDVD配布が随分と遅れてしまいました。ここで改めてお詫び申し上げます。
一昨年、「稲葉先生の米寿出版記念の会」が催されたとき、多くの教え子の皆さんから、先生のお元気な姿が末永く続きますように、と言葉をいただいたばかりだった。まもなく、先生は安らかに永眠された。
その告別式が行われたとき、先生が生前、オーディオテープに録音していた「最期のご挨拶」が流された。先生はいつかは来るであろうその日を予想され、密かに準備していたのである。
「これは私がこの世の中にいなくなるということについて、皆さんにご挨拶を申し上げるのでありますが、私が死んだからと言って何ということはないので、いつか来ることに違いないので・・・。
しかし、人間の想像力というものはまことに貧困なもので、そういうときが必ず来るのに、その状況というものを想像する力は非常に限られております。
だから今、今晩家内がいないのを幸いに、いつかはやらなければならないということなので、この録音を始めたわけですが・・・」
このように始まる録音テープに収められていたものは、先生が別離の気持ちを詩的なものでありたいと願って語られた蓮如上人の「白骨の御文章」と「仏説阿弥陀経」の解説であった。
先生はわかりやすくお話をされているのだろうが、凡人の私たちにとって一度聞いたところで理解できない。
そこで、制作者の方と相談し、この録音テープの先生の声を聞き取り、文字化しようではないかということになった。教え子の皆さんにとって、この作業は先生の最期の講義になったのではないかと思う。
数人の教え子の皆さんで手分けをして始まったこの作業はすぐに終わるはずだった。ところが、相当に困難なものになってしまった。
日本語には同音異義語がたくさんある。同音でも間違った語彙を選択すると意味がまったく変わってしまう。99%は終わったのだが、残りの1%が暗礁に乗り上げてしまった。
これを解決するには、先生がテキストにしているまさにその本を入手するしか道は無い。すでに廃刊となっているそのテキストが入手できないか、インターネットで調べ上げた。長崎にある古本屋のひとつにそのテキストあることがわかったので、そこからやっとの思いで入手したというわけである。
このようにして出来上がったこのビデオ作品だが、天国にいらっしゃる先生は私たちのこのような努力をご覧になって、案外微笑んでいるのかもしれない。