作品名「谷川岳・烏帽子沢奥壁凹状岩壁と子持山」
制作 Original CV
作品時間 48分- 先月に引き続き、谷川岳・烏帽子沢奥壁凹状岩壁を紹介する。
前回は雨のため撮影出来なかったという旨を述べたのだが、今回は登攀のメンバーを変えて、再トライアルし撮影に成功した。
まず、「雨」と「晴れ」ではこんなに違うものかとヒシヒシと感じた。
「雨」では沢筋の両側の岩壁からニュージーランドのミルフォード・トラックのように滝が幾筋も流れて、まるで沢を登っているような感じになるのだが、「晴れ」では青空にツバメが飛び交う中をピクニックに
行く感覚なのだ。気合いの入り方も自ずと変わってくる。
さて、今回はトップとセカンドの合図の仕方に注目しよう。
岩場ではトップがハングの上に出たりしてセカンドから見えなくなると、トップの「ビレイ解除」などの声がセカンドに届かなくなってしまう。多くのパーティが岩場に入っている場合はあちらこちらから大きな声が聞こえ、戸惑うことも少なくない。そこで、今回同行したお二人はクールな合図の仕方を行っていたので紹介しよう。
今回一緒に登ったお二人のシステムは超クールだ。単に笛を使うのである。
考えてみれば、トップとセカンドに必要なコミュニケーションを最も簡略化すると次の4つしかない。
(1) トップが終了点についてセルフを取り、セカンドにビレイ解除の合図
・・・ トップが1回笛を吹く
(2) セカンドはトップに対してビレイ解除済みの合図
・・・ セカンドが1回笛を吹く
(3) トップはセカンドのビレイが完了すると登って来いの合図
・・・ トップが2回笛を吹く
(4) セカンドは登りますの合図
・・・ セカンドが2回笛を吹く
ザッツ・オール! 笛は長く吹くと緊急事態が発生したのではないかと周りを心配させるが、お二人の笛の長さはピッと0.3秒ぐらいの長さであり、耳障りではない。他のクライマーにとっては小鳥のさえずりと間違うくらいの感じだ。
ソー・スマート! 感心してしまった。
皆さんもシンプルで独自のコミュニケーション方法を考えてみてはいかがでしょうか。
<<お客様のご感想>>
・ ビデオ、届きました。綺麗ですね。まるで急な草原(?)を登っているように見える位、岩場の緑が目立ちますね。ナレーションも適度に入って、良く仕上がっていると思いました。
・ 画面が綺麗で、ナレーションもとっても良かった。このビデオはナレーションで生きている。音楽がなくてもナレーションで十分良かった。花もすごく綺麗。全体の構成もよく、これまでで一番いいね。見終わった時に、心地よい充足感がありました。 - メールマガジン No. 109 2012-09-01