2009年03月08日

タイ・プラナン旅行記(2009年)


 2/16から3/2までタイ・プラナンへ行ってきました。これはその旅行記です。

 ビデオ作品「Hot Climbing 4, customized」のオープニング映像はこちら

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2月16日 機内

 今回のプラナンには総勢15名(+飛び入り1名)が参加することになった。最初から人数が確定していれば団体割引が効いて、1名無料になることも可能だったと思うが・・・。飛行機や宿の手配をしていただいたTTさんのご苦労、ご心痛は余りあるものがある。

 TTさんには、この場を借りて改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 とにかく、大盛況であるということは良いことだ! タイの地元の人にお金を落とすことにもなるわけで、昨今の不況の中、世界経済の需要に少なからずとも影響を与えたと自負できる。エヘン!!

 さて、今回もタイ国際航空を使ったわけだが、サービス満点だった。エコノミークラスでサービスが良いかどうかを判断するのは、お酒を無尽蔵に飲めるかどうかにかかっている。卑しい私としては注がれるワインを断るわけにはいかないのだ。果たしてこの状態でクライミングがまともにできるのだろうか??

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今年もお世話になったFriendly Bungalow今年も再会したと固く握手をするバンガローの親父さんとTTさん器用に揚げパン(タイ語でパートンクウ 1個1バーツ)を作るおばさん
 

2月17日 Escher Wall, Thaiwand Wall

 プラナン初日はEscher Wallから取り付くことにした。
 プラナンビーチへ着くと、昨年とはうって変わってリゾート客が少ないことに驚いた。静かなプラナンを今年は楽しめそうだ。
 易しいルートをいくつか登っていると、携帯電話が鳴った。岡山からKKさんが到着したようだ。現在の8人に、1人が加わった。
 壁に陽が当たってきたので、洞窟を抜けてThaiwand Wallへ出ることにした。今回初めてのSさん夫妻やKKさんはびっくり仰天のようだった。
 プラナンの面白さはこれからだ。明日のクライミングを考える前に、今日の夕食がもっと楽しみだが‥。

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毎朝食べたお粥(タイ語でジョーク 20バーツ)SSさんの素晴らしいTシャツ どこの誰かに聞かせてあげたい文句である毎晩通ったピカイチのレストラン メニューは200種類近くあるが、最後にはそのすべてをほとんど食べ尽くした感がある


2月18日 Ton Sai. Fire Wall

 昨夜、ぱらぱらと雨が降った。この時期にしては珍しい。
 さて、本日はプラナンの看板エリアであるTon Saiに行く。クライマーで賑わっているものの、昨年に比べてクライマーの数は少ない。そして、昨年多かった北欧からの観光客も極端に少ない。不景気になり、ユーロが安くなった影響だろう。
 アップとしてCowabungalow 6b に取り付く。7年ぶりだ。相変わらず快適なルートである。
 隣りは米国人の女性たちが登っていたが、彼女たちはヘルメットを着用していた。プラナンでは珍しい光景だが、安全第一を考えれば微笑ましい。
 午後になって、Fire Wallに出かけた。もっとも美しいルートであるBurnt Offerings 7a+ に取り付いた。洞窟の左側から右側へルーフで乗り越え、そして、洞窟の出口に向かってトラバース。最後はパワーで洞窟の天井から岩壁に飛び出す。派手なルートで本当に絵になる。
 本日はここで大汗をかいて終了。バンガローに戻ってチャン・ビアで乾杯!

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タイに来たらフレッシュなマンゴジュース SNさんの満面の笑顔プラナンで最も美しいルート Burnt Offerings KKさんが果敢にトライ数年に一度咲く珍しい花(夜に開花)  圭子の夢は夜開く?


2月19日 Defile exit, Muai Thai

 本日はT夫妻、S夫妻はレスト日。残りのメンバーでDefile exitに向かった。ここへ入るには海に面した洞窟をへつっていかねばならない。潮が満ちたら、腰まで浸かりロープや撮影機材が濡れてしまう。KKさんが持ってきた汐見表で安全なことを確認して、洞窟をへつった。
 難しいMonkey Gone To Heaven 6bでうちのめされた後、Kumjai 7b をトライ。OKさんは見事にオンサイト! 素晴らしい。

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Baboon's Ass 6bを登るKKさんKumjai 7bを見事にオンサイトしたOKさんMuai Thaiエリアで登るKMさん


2月20日 One,Two,Three, The Keep

 本日はOKさん、KMさん、MHさんがレスト日。タイ女性を魅惑して止まない人気のKKさんは食当たりでダウン。

 Tさんご夫妻、Sさんご夫妻と共にOne,Two,Threeへ向かう。いきなりTさんの奥様がSelee 6aにリードでチャレンジ。出だしのかぶりを見事に乗り越し、完登。気持ちがこもっていた。
 午後はThe Keepへ移動。SSさんが70mロープを使ってGengis Bond 6bをトライ。長い長い32mを登りきった。

 帰り道に、いきなりドスンと音がした。背の高いSSさんが洞窟の天井から垂れ下がっているコルネに頭をぶつけたのだ。久しぶりに「星が出た」そうだ。そして、そこの場所で物売りをしている女の子が首を横に振って、"Everyday, everyday, ……"と言っていた。

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Selee 6aを果敢にリードするTTさんOne, Two, Threeエリアで登るSNさんMonkey's Bum 6bを登るSSさん


2月21日 レスト日

 本日は私のレスト日。KKさんが帰国し、賑やかな六人衆がやってきた。


2月22日 Escher Wall, Thaiwand Wall

 本日は後発組6人のクライミング初日である。Escher Wallでアップした後、洞窟を通り、Thaiwand Wallへ。

 ここで久しぶりにOrgan Grinder 6cに取り付いた。このルートはThaiwand Wallの真ん中にぽっかりとあいた洞窟の右壁を天井まで登る豪快なルートである。途中、ボルトが1本抜けていたが、穴にスリングを通して支点を作り、切り抜けた。
 TSさんがトライしているとき、たまたまピーピー島から帰ってきたSSさんがスピードボートの上から見ていたそうだ。そこで、乗客はTSさんを差し、「Wow, Blue T-shirt!」と叫んでいたそうだ。
 これからは、TSさんのことを「ブルーTシャツ」と呼ぶことにしよう。

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Organ Grinder 1 pitchを登るYKさんOrgan Grinder 2 pitchを下降するYKさんOrgan Grinder 2 pitchの大きな穴でレストするTSさん


2月23日 One, Two, Three

 S夫妻はプラナンビーチで日光浴。

 Muai Thaiエリアでアップをした後、Kratoy 6cをトライ。このルートはぽっかりとあいた穴の出口を右から左へ移るところが楽しい。足の長さ、体の柔らかさが問題となるが・・・。
 一人ずつトライした後、最後の私は穴の奥からジャンプし、ビューンとぶらさがった。これでおしまい。

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アオナンにあるロング・テール・ボートのチケット売り場Kratoy 6cをトライするTCさん 足の長さか、はたまた、体の柔らかさか?乾杯が最も似合うお二人


2月24日 Dum's Kitchen, Melting Wall

 トンサイビーチに着いたとき、潮は満ちており、トンサイエリアのかぶったところではクライミングができそうになかった。
 Dum's Kitchenの左奥に移動して、By Way Of Deception 7aに取り付いた。このルートはルーフから、ぶらさがったスリングに手が届かないので、サポートの人が肩車をする。私のような重い人間は肩車をする人が大変。腰を痛めないようにときづかいながら、取り付く。
 アレレ? 昨年は下部をすっと登ったのに‥。ここで疲れてしまった。

 午後はMelting Wallに移動して、The Smoking Room 6b+ に取り付いていただいた。
 YKさんの背中から汗がぽたぽたと落ちてくる。初めて登る人にはとても面白いルートであることに間違いない。

 この隣では、タイ人のインストラクターがヨーロッパ人のビギナーの女性を連れてやってきていた。インストラクターはいきなり6bのルートを登るのだが、このルートの中間から上は長くぶら下がったコルネを登らねばならない。果たしてビギナーにこのルートが登れるのだろうか? トップロープとはいえ、ビギナーにとってはおっかないよ。

 そして、ビギナーの女性が登り始めた。案の定、コルネに移るところで泣きが入った。
「もう、登れない。 私、疲れたの。 降りるわ。」
「ホールドを掴んで、足を上げて登るんだ!」
「もう、とっても疲れたの。 私、できないわ。」
「何言ってるんだ。 君ならできる!」

 ここはインストラクターとしての腕の見せどころだ。このまま女性が降りてしまえば、クライミングは恐ろしいというイメージだけしか残らない。逆に、ここを乗り切って完登したら、「私にもできる」という自信と楽しいクライミングのイメージが残るだろう。両刃の剣の状態だ。

 こうなったらわれわれ日本人も応援したくなる。"Go, Go!" "Go for it!" "Ale, Ale!" "Gamba, Gamba!"などわれわれが知っているあらゆる世界語を駆使して女性を励ました。すると、この女性は壁とコルネをステミングでするすると登ってしまうではないか。
 人間の力は凄い! 何事もあきらめちゃーいけない。 クライミングって、ホントにいいですね~。

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パイナップルに炒飯が山盛り ご機嫌なY夫妻The Smoking Room 6b+をトライするYKさん 汗がしたたり落ちてきたThe Smoking Room 6b+をトライするTSさん


2月25日 レスト日

 11時過ぎにアオナン・ビーチに下りていき、No.4でタイ・マッサージをしてもらった。

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No.4のマママッサージ小屋が続く夕陽を受けて夕食へ向かう一団


2月26日 Escher Wall

 全員でEscher Wallへ向かう。
 このエリアの看板ルートでもあるBest route in Minesota 6cをOKさんはオンサイト、TSさんは完登した。 お見事!パチパチパチ。

 私はGood With A Machete 7bに取り付いた。鮫のヒレのような形で垂れ下がっているところを登る。下には針のように突き出した岩があり、落ちると突き刺さりそうだ。あまり取り付かれていないルートなので、土煙が溜まっている。全身泥にまみれながら登った。私の後、誰も取り付こうとしなかったのは、皆さん、泥まみれになりたくなかったから? こんな面白いルートは滅多にないのに、もったいない。

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Escher WallエリアでリードするTCさんBest Route In Minnesota 6cをオンサイトするOKさんBest Route In Minnesota 6cを完登するTSさん


2月27日 Wee's Present, Thaiwand Wall

 Wee's Presentは、森に囲まれており、一日中日陰だ。
 6aを二本登った後、女性人はリードにチャレンジ。皆さん、見事に完登。
 その後、T夫妻と私はThaiwand Wallへ向かった。Fit to be Thaid 6a+は取り付きから下が海まで切れ落ちており、高度感のある快適なルートだ。ライレイビーチが一望できて、T夫妻のクライミング最終日にふさわしいルートだったと思う。

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Wee's PresentエリアでリードするYKさんWee's PresentエリアでリードするSAさんFit To Be Thaid 6A+を登るTCさん


2月28日 Ton Sai, Cat Wall

 朝方、鷹取六人衆が帰国した。あっという間の一週間だったのではないだろうか。
 ゆっくりとバンガローを出発して、トンサイビーチに着くと、驚いたことに、誰も岩場に取り付いていない。こんなことは初めてである。滞在時期が2月末日までというクライマーが多いのかもしれない。
 午前中、Ton Saiエリアでお茶を濁した後、初めてCat Wallへ行った。6bを登った後、振り返ってみると素晴らしいロケーションだ。撮影をしたかったが、取り付く人がいない。残念ながら来年に持ち越しである。

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For You & For Me 6a+を登るKMさんCat & Cobra 6bを登るMHさんクライマーをあざけるように木の上でのけぞっている猿


3月1日 Escher Wall

 今回、最後のクライミングはEscher Wallへ行った。私が鮫のヒレのようなルートに再チャレンジするためである。
 3回トライしたが、前回登ったところまで達することが出来なかった。3本目のピンにクリップするとき、一旦、空中に出なければならないのだが、その後、戻れなかった。ホールドは溜まった土煙と私の汗で泥状になっており、保持することが出来なかった。来年以降にお預けとなった。


 今年もあっという間に2週間が過ぎ去った。やはり後半になると体力を消耗してお腹がゆるくなったりした。遊ぶということは体力のいることなのだとつくづく感じる。

 今回は映像の制作から販売まで出来る限りの範囲内で参加者の皆さんにご協力をいただけるようにお願いした。映像作りは大変だからこそ面白いということを分かち合えればと思うし、自分たちの作ったものを第三者に買っていただければその喜びはまたひとしおなのだと思うからである。

 さて、来年はどうなるかなあ。 来るのか来ないのか? 行きたい、そして、撮って欲しいという人がいる限り来るような気もするが・・・。

投稿者 sue_originalcv : 18:37 | コメント (2) | トラックバック

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2008年03月08日

タイ・プラナン旅行記

 6年ぶりにタイ・プラナンへ行ってきました。これはその旅行記です。

 ビデオ作品「Hot Climbing 3, Customized」のオープニング映像はこちら
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2月11日
 5時45分に上大岡から電車に乗る。京浜急行と京成電鉄の乗り継ぎで成田に向かうのだ。その電車にYさんも乗っていた。
 「泊まるところはNKマンション?ですよね。」
 「違いますよ。Ao Nang Friendly bungalowですよ。全体計画表に書いていたでしょう。」
と、Yさんが持っている計画表を見ると初版である。最終的には六版まで発行したのに・・・。
 先が思いやられる。これからどうなることやら。

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滞在したバンガローバンガローで飼っている小鳥庭先に咲いている花

2月12日
 長い1日だった。Toさんの完璧なアレンジで昨夜は無事にアオナンに到着。
 今日は朝8時に朝食を取った後、アオナンビーチから、トンサイへ。ところが、トンサイエリアのクライマーの多さに閉口し、ビーチ沿いにライレイビーチへ移動。
 そこでまたまたびっくり。あざらし(ビーチで寝転んでいる一般客)のいかに多いことか。今はクリスマスシーズンではなくて2月だぜ。123エリアに行ってもクライミングの講習会の嵐。壁にも取り付けない。
 結局、クライミングをしないまま、プラナンビーチで昼食。
 プラナンビーチの大勢のあざらしのビキニ姿を横目に、エッシャーワールドへ。そこから洞窟を通ってタイワンドウォールへ出た。朝方は1パーティしか取り付いていなかったのでゆっくりと登れると思ったからだ。
 ところが着いてみると、ニーハオと呼ぶ人種でいっばい。あーあ。どこへ行っても人、人、人。私の知っているプラナンはもうそこになかった。
 でも、我ら遠征隊は強い。文句ひとつ言わずによく付いてきてくれたと思います。今日はゆっくりとお休み下さい。

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タイワンドウォールエリア1タイワンドウォールエリア2タイワンドウォールエリア3

2月13日
 昨日のクライミングエリアの混み具合を見て、今日はエッシャーワールドへ行くことにする。
 アオナンビーチから、プラナンビーチへテイルボートで乗り付ける。このテイルボートはタクシー代わりで便利がよい。
 さて、エッシャーワールドは昨日とうってかわって貸し切り状態。こうでなくっちゃ、プラナンクライミングの醍醐味と開放感を味わえない。
 このエリアはショートルートが多いので、優しいルートを気軽に取り付ける。ところが、優しいルートはみんなが取り付くのでぴかぴかに磨かれている。ガバなんだけど、鏡のような大理石を登っている感じ。持つホールドに力が入り、汗が出るのでますます滑る。この低グレード5のルートより、隣の6bのルートの方が優しく感じてしまう。
 でも、今日は1日充実してクライミングを楽しめた。やはり、タイ・プラナンは良いところだ。

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Humming Song, 6bCrazy Peninsula, 7a+Best Route In Minnesota, 6c

2月14日
 今日は、2つのグループに別れて行動した。Toさん、Taさん夫妻とTozさん、Aさん夫妻は休養。そして、Toさんのクライミング仲間のお二人、KさんとMさん、そして、Yさんと私はトンサイエリアへ向かった。
 ここはクライマーの溜まり場なので、どのルートにもクライマーが取り付いている。
 隣のダムズ・キッチンエリアは取り付けそうなので、そこからトライアル開始。どのルートも世界中のクライマーが登り、チョークを塗りたくっているので、ガバホールドと言えども5ミリの厚さのチョーク層があり、滑る。人気ルートほど実質的なグレードが高くなっていると言える。

 そんなことより、我ら遠征隊の食欲は凄まじい。一昨日の夕食は4人ずつの2つグループに別れて食事をしたのだが、お互いが張り合って注文しまくり。ゴージャス!!
 今日の夕食は8人同じテーブルで食べたが、注文した料理の皿がテーブルに置けず右往左往。
 我らは超お得意様なのだ。タイ国の消費刺激に多大に貢献していると胸を張ることができる。

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Schlingel Max, 6bNo Name, 6cThe Lion King, 6c+

 
2月15日
 両ご夫妻は、昨日のレストで完全にリフレッシュ。昨晩の夕食では、Taさん、Aさんがショッピングで手に入れたペアのパンツをご披露。ザ・ピーナッツ状態! Aさんの夫のTozさんは黄色のTシャツに黄色のパンツ、ネックレスも決めてご機嫌。皆さん、タイ・マッサージをしてもらったと言うから、身も心も軽いのだ。
 さて、今日はデファイル・イグジットというエリアに行った。プラナンビーチから洞窟をへつり気味に入るのだが、潮が満ちていそうで心配だ。満ちてしまえば、首まで海に浸かってしまう。
 かぶっている7bのルートが途中まで簡単そうなので、そこをトライ。Taさん、Aさんも果敢に望み、鳥のように舞ってもらった。その後、123エリアに移動し、かぶり気味のやさしいルートをトライ。このとき、Aさん曰わく、「クライミングのコツがわかったような気がする。」 悟りをお開きになられたようだ。

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Kumjai, 7bKumjai, 7bKumjai, 7b

2月16日
 早いもので、Tozさん、Aさん夫妻とYさんは今日で最後のクライミングとなる。
 インターナショナルなAさんは、アメリカ人、ドイツ人、スウェーデン人、マレーシア人、フランス人、・・・と世界中の人々と、すぐにお友達になり、そのうちアオナンの有力者になってしまいそう。
 そのAさんは、本日泳ぐという。欧米人の恥ずかしげのない姿を見て、水着になることにたいそう自信をもったらしい。
 Aさん夫妻とTo さん夫妻はプラナン・ビーチでスイミング。残りの4人は123エリアでアップした後、ザ・キープエリアへ。1本ずつ登って退散。
 Yさんは粘ってプラナンビーチエリアで6cをトライ。コルネ登りのコツを掴んだようだ。
 そして、アオナンに戻り、素敵なレストランで美味しい食事を満喫。あっという間に今日1日も終わってしまった。

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Gengis Bond, 6bGengis Bond, 6bMuai Thai, 6b

2月17日
 Toさん夫妻とKさん、Mさんはピーピー島にワンデイトリップに出かけた。
 Tozさん、Aさん夫妻、Yさんと私は午後2時の出発までショッピングをしたり食事をしたりした。
 Aさんと私はタイマッサージを受けた。私にとっては6年ぶりのタイマッサージ。本当に気持ちが良い。意識が遠ざかっていくような陶酔感におそわれる。Aさんもこれで心おきなく日本に帰れるというもの。
 そして、Yさんも慣れないショッピングに苦労しながら、家族へのペーパーハットを買って、照れる表情に陰りがない。
 3人とも、また来ようと心に決めてクラビ空港へ向かった。

2月18日
 3人が帰ると同時に、観光客やクライマーもぐんと減った。
 今日はトンサイへ行ったが、順番待ちは気にしなくてよかった。
 午後3時半を過ぎてアオナンへ戻った。今日は住み慣れたバンガローを移動しなければならない。移る先は今まで滞在したバンガローのオーナーの親族だという。つまり、ここら辺は全部『山田さん』である。日本の田舎と大差ない。
 最近、ハマっているのは「輪タク」である。二輪車タクシーの略であろうか。125cc程度のエンジンで、バイクの横に荷台が付いている。最大5人まで乗れる。波止場からバンガローまでの500mを運んでくれる。Tozさんも最後には、「これでなきゃ嫌だー」とだだをこねていた。タイには便利なものがあるものだ。

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輪タクの運転手らくちんで、ご機嫌!バンガローまであっという間

2月19日
 今日はダムズキッチンの左側を登った。最初に、6bに取り付いた。トポに書いてあるように、本当にNot niceだった。上部は針の上のスタンスを登っているような感じだし、終了点も悪かった。
 十分にクライミングを楽しんだ後、アオナンに戻ってきた。
 夕食は美味しいレストランを見つけたので、ここ3日ほど、この店に通っている。
 メニューを見ると200種類以上あり、どの料理を選んでもうまい。ようやくオーダーのコツがわかってきたので、割安で、美味しいものをたらふく食べることができる。
 とはいうものの、明日はクライミング最終日。早いものだ。

2月20日
 最後のクライミングをエッシャーワールドで楽しんだ。
 エッシャーワールドの右側の洞窟のところに、上部から張り出したヒレ状の岩があり、そこに点々とスリングが付いている。下部は逆にナイフが突き出ている感じ。落ちたら刺さりそうなのだ。7c+だが、一度は取り付いてみたいと思っていた。
 もし、回収できなかったとしても、今回でプラナンは最後だと思っている私にとって、捨てビナの一枚ぐらい、どうってことない。
 取り付いてみると、2本目のクリップで、上からのヒレと、下からのナイフに大股開きで達するものの、それ以上は足が宙に舞ってしまう。ヒレ状の岩をパワーで登るしかない。早々とあきらめたが、まったく後悔はなかった。こんな面白いルートは世界中探してもここでしか味わえない。これぞプラナンというルートである。
 そして、昼過ぎにクライミングを終え、プラナンビーチでひと泳ぎ。潮が引いてくるとハッピーアイランドまで歩いて渡れるようになった。今日は満月だが、新月の引き潮のときには、ハッピーアイランドのルートも安心して登れるに違いない。
 10日前に着いたときの喧噪は今は無く、昔ながらののんびりとしたビーチがそこにあった。

2月21日
 朝、バンガローの精算をしに行くと、年老いたおばあちゃんしかいない。英語も日本語も理解できないのだ。
 仕方なく、勉強してきたタイ語でトライ。
 サワディー・クラップ(こんにちは)。チャパイ・プラテー・イープン・クラップ(日本に戻ります)。チェッピン・ドゥアイ・クラップ(精算をお願いします)。カウ・プート・ポム・ワー・ワン・ラ・ホッローイ・ハーシップ・バーツ(彼は1日に付き650バーツだと言いました)。
 このとき、おばあちゃんはおもむろに手帳を開いた。そこに3900という数字が書いてあった。二部屋で3日分だから、合計3900バーツになるのだ。
 無事に3900バーツを払ってめでたしめでたし。
 今回の旅行で思ったことは、ドイツ人、スウェーデン人をはじめEU圏内の旅行者が非常に多かったことだ。その背景にユーロ高があることは明らかだ。経済のグローバル化と通貨の力がここタイにも大きな影響を与えている。
 10年前に来たときと様変わりしているのは、プラナンがリゾート化したというだけでなく、世界経済のパワーバランスも変わったということなのだ。

投稿者 sue_originalcv : 04:19 | トラックバック

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