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2011年10月04日

フィナーレリグレ (イタリア旅行記 ~フィナーレ・リグレ、ラベンナ~) 

 ジェノバの朝は澄み渡った空で明るく、リグリア海の港街にふさわしい陽光だ。

 さて、今日はまずレンタカーを借りに行かねばならない。日本で得た情報ではレンタカーは街中にあるということだ。ホテルのカウンターのお兄ちゃんに聞くと、地図を差し示して、「このホテルから歩いて15分のところにあるよ」とアドバイスしてくれた。重い荷物を抱えて15分も歩くわけには行かないので、タクシーを呼んだ。

 タクシーに荷物を積み込み、いざ出発せんと、レンタカーのアドレスをタクシーの運転手に見せると、タクシーの運転手は「これはジェノバ空港内のアドレスだよ、街中じゃないよ」という。こちらは、「空港ではなくて街中だと日本で聞いた」という。タクシーに乗ったというのに目的地を定めることが出来ないわけだ。

 タクシーの運転手は携帯でレンタカーの電話番号に電話をかけた。
 「アドレスを見ると、空港内になっているのに、客は街中にあると言って、空港内じゃないと言い張る。どうなってるんだ?」
 結局、タクシーの運転手が正しく、このレンタカーはジェノバに一ヶ所しかない。そして、それは空港内だということで一件落着となった。

ということは、あのホテルのお兄ちゃんのアドバイスは一体何だったんだ?

 さて、無事にレンタカーを借りて、フィナーレリグレに向かった。高速に乗るとジェノバから小一時間でフィナーレリグレに着いた。しかし、目的地の本日のお宿Residence Gliciniがどこにあるのかがわからない。こちらもすぐに見つかると思っていた当てが外れた。
 
 ある人に聞くと、「海岸線に出てSavonaの方に戻り、ひとつ目のトンネルの前を左に上る。」という。
 行ってみると、トンネルの前を左に上がる道はない。

 そこでまた、ある人に聞くと、「フィナーレリグレは3キロメートル向こうだよ。」という。
 そりゃそうでしょ。そちらから来たんだから。確実に分かるひとつのことはSavona方向へ行き過ぎたということだ。また戻り、それらしい雰囲気の小道を右に入っていった。

 車を停めて、バーに入り聞いてみると、「来た道を200メートル戻り左に曲がれ」という。
 それらしいところを探しながら、左に上って行っても見当たらない。

 小さなホテルに入り、聞いてみると、「来た道を戻り右に曲がって、再び右にまがれ」という。
 それらしいところを注意深く探してみたが、やはりわからない。

 お手上げだ。小さなホテルの前に車を停めて、目的地の宿に電話をした。そうすると、「もう近くまで来ているよ、チャリンコで迎えに行くから待ってて。」という。
 そして待っていると、顔立ちの優しいお兄ちゃんがチャリンコで迎えに来た。チャリンコに誘導されながら、5人が乗った車はとうとう目的地へ着いた。ホッとしたと同時に、こりゃわからないわけだと納得した。

 この宿の表札はA5ほどの大きさでしかない。大きな看板はないのも道理だ。この宿は普通のアパートを改築した程度のものだから。
 つまり、これを日本風に言うと、上大岡駅で降りて、南区大岡にある末次さんの家はどこですかと聞いて、末次さん宅を訪ねることと大差ない。

 だからといって、この宿が悪いというわけでは決してない。満面に笑みをたたえる宿のご主人とそのお父さん。お世話になる部屋のドアには「ようこそ」と日本語で書かれた紙が貼られていた。おまけにお父さんからは「ようこそ」の文字を指差して、「これはなんと呼んだらいいんだ」と言われる始末。
 「ようこそ」という呼び方もわからないまま、お気持ちで私たちを歓待してくれたのだ。そのお気持ちを大切にしたいと思う。この宿に日本人が泊まるのは初めてとのことだ。

ジェノバの街ジェノバ・プリンチペ駅にある
コロンブスの像
借りたレンタカー

投稿者 sue_originalcv : 2011年10月04日 13:13

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