2008年05月20日

ヨセミテ旅行記

080514i-airtraverse1.jpg  5月6日から5月18日までIさんと2人で米国へ行って来ました。
 今回の目的はヨセミテ・リーニング・タワーを登ることでしたが、それは適わず、結局、ロスト・アロー・スパイアを登りました。
 これはその旅行記です。

 現地ではJさんに2週間フルアテンドしていただきました。本当に心から感謝します。

 ビデオ作品「Jeff's World」のオープニング映像はこちら

5月6日 成田空港へ
 この3週間は仕事が忙しく、何の練習もしていなかった。やった事と言えば、Iさんから頂いたハインツ・ザックのヨセミテ写真集をめくったことぐらい。

 今回はギア類の荷物が多いということで、空港までIさんの車で行くことになった。
 磯子から湾岸線に乗って、快適に高速を飛ばした。成田空港の出口へ。ここで間違った。近くのパーキングに車を置くので、成田市街地の方へ行かなければならなかったのだが、成田空港にダイレクトに入ってしまった。重々しい検問ゲートが出てきた。事情を説明すると、大音響のスピーカーで出口に向かうことが告げられた。誘導に従って大きく右折して細い道へ。
 「二名様、お帰り~~。」
 かんぬきのかけられたゲートを開けてもらい外へ。

 重い荷物を持ってフライトカウンターへ。Iさんのザックをコンベアに載せると42キロ。超過料金がかかるというので、Iさんはクレジットカードを出し、支払いの準備に入った。
 「超過料金は5万6千円です。」
 「ん!?」 手が止まった。
 「お荷物をふたつに分けられるとよいかもしれません。」
 段ボール箱を準備してもらい、キャメロット、ヌンチャク類を詰め込んだ。そして、23キロのザックと19キロの段ボール箱に分けた。
 「お荷物はふたつまで、そして、それぞれ23キロまでは超過料金がかかりませんので、無料ですね。」
 なんと優しい係員なのだろう。「次に機会があったら、また、シンガポール航空を使います!」 思わず叫びそうになった。良い旅になりそうだ。


5月6日 ロサンジェルス
 機内でシラーズの赤ワインをハーフボトルぐらい飲み、後悔なくロサンジェルス空港に着いた。
 新車で迎えに来たJさんはご機嫌。車に乗るのが楽しくて仕方がないといった様子。右に左に次々と車を追い越しながら、「これがドライブだぜ」といわんばかり。サンタモニカに近いJさんの自宅に着いたのは午後2時を回った頃。
 荷物を置くや否や、15分ほど先にあるTick rockへ向けて出発。ここは十年ほど前にハイビジョンのデモ映像を制作したときに泊まったホテルの近くだった。
 5.8, 5.10a, 5.10b, 5.10dと易しいルートを登りながらリードの感触を掴む。固い岩でフリクションも良い。なまった体には手頃だった。暗くなってきたので店じまいをする。時刻は午後8時。昼が長い。そして、とてもとても長かった5月6日もようやく終わった。


5月7日 ジョシュアトリ
 ロサンジェルスを出発して、ハイウェイに乗り、ジョシュアトリへ向かった。
 ロサンジェルスでは曇り空でちょっと肌寒く、フリースが必要なくらいだった。突如、風力発電の風車が現れた。谷間から丘の上まで数え切れないほどの風車。この地域を境にして天候が一変した。雲ひとつ無くなり、Tシャツでなければ暑くてどうしようもない。砂漠地帯に入ったのだ。

 ジョシュアトリまですぐだった。Snikers north faceエリアに行く。Funny bone 5.8からKnight shift 5.10dまでを楽しんだ。ジョシュアトリは美しいところだ。神様が大小の石を砂漠にばらまいたところに、サボテンなどの植物をふりかけたという感じ。
 JさんのVacation homeはジョシュアトリ国立公園のゲートの近くにある。リビングはもちろん、大きな寝室が3つもある。豪華だ。
 ベッドに入る頃、コヨーテの遠吠えがあちらこちらから聞こえた。

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Don't think just jump 5.10aを登るJさんDon't think just jump 5.10aを登るIさんJさんの友達


5月8日 エイド クライミングの練習
 今日はジョシュアトリのReal hidden valleyでエイドクライミングの練習をした。
 Sail a way 5.8-をエイドクライミングの練習に使ったのだが、ここは4つ星のルート。週末だったら、人だかりのするところで、こんなところで練習をしていたら何を言われるかわからないとJさんは言う。
 何はともあれ、ヨセミテ・リーニング・タワーを登るための最低限のテクニックを身につけなければ。Jさん曰わく、「片手2本ずつの合計4本のあぶみを使うと安定して高いステップまで上がれるので効率的だ。」というわけでそのシステムを使って練習。慣れるまでには時間が必要だ。

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大小の岩の塊りとジョウシュアトリ(植物)が創る不思議な世界Sail a way 5.8-をリードするIさん度胸が試されるボルダー ちなみに私は半分まで登ってギブアップ


5月9日 ユマーリング
 今日はジョシュアトリ最後の日。Echo rockのBig moe 5.11aに固定ロープを張って、空中でのユマーリングの練習をした。ケービングスタイルだ。システムをきちんとセッティングしないと無駄な時間を使ってしまう。
 昼過ぎに終了してロサンジェルスに戻った。Jさん曰わく、「次回はジョシュアトリにフリークライミングのために来て欲しい。」
 今回泊まったJさんのVacation homeは冬のハイシーズンには貸し出していて、一泊$290だという。それを3泊して$100という気持ちばかりのお金を置いてきただけだ。 だから、本当にありがとうございました。

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Death on the Nile 5.10aをフリーソロするJさん空中ユマーリングを練習するIさん これは疲れるんです!木陰で休みながらアドバイスするJさん


5月10日 マリブ
 今日はウィークエンド。Jさんの彼女であるPさんとその友人のYさんと一緒に、マリブ州立公園へ行った。Jさんの家から車で40分ぐらいのところだ。草原の広がる丘を下ったところに小川が流れ、そこから谷間に入る。川岸をへつったところがマウント・ゴージャス・エリアだ。
 うすかぶりでガバが連続する快適なルートがたくさんある。グレードは5.10-5.12。

 ジョシュアトリのナチュプロで苦労していただけに、ボルトが打ってあるスポーツクライミングは生き返ったように楽しめた。しかし、今日で5日連続のクライミングだ。さすがにパンプした腕はすぐに戻らなかった。5.11b-cの楽しいルートを大フォールして、この日のクライミングは終わった。

 ここの雰囲気は鷹取山に似ている。常連さん達の会話が楽しい。お二人の子供が二十歳を迎え、そろそろ子育てから解放されるという女性が話しかけてきた。
 「日本酒は美味しい。口に含むとふわっと広がっていく感じがたまらない。そこで質問。にごり酒と透明な酒は何が違うの? また、二日酔いで残るときと、残らないときがあるのは何故?」
 Iさんが丁寧に答えたが、こういう話は延々と続く。陽が傾きかけてきた谷間の岩場で人と人との触れあいがある。幸せで楽しいひとときだ。

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草花が咲き乱れる美しいマリブ州立公園5.10をトライするPさん5.11b-cを果敢にトライするYさん 北京出身で小児科の先生 カリムノス島にも行ったことがあるというので話が盛り上がった


5月11日 準備
 REIへ行く。足りない道具を買うためだ。私はあぶみのセットなどを買った。
 夕方、JさんがHot springへ行こうと言うので付いていくと、Jさんのご両親のご自宅だ。ゲートのチェックを受けて、中に入るとそこは完全にセキュリティが保証されているエリア。中にテニスコートやプールがある。私たちはJさんのご自宅で挨拶した後、プールへ行った。そこにジェットバブル式の温水が出ている浴槽があるのだ。そこにつかった後、誰も泳いでいないプールへ飛びこんだ。水深は2メートル以上あり、深い。水は透明に輝いている。サイコー!!
 誰がこういう展開になることを予想しただろうか。

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演奏に酔いしれるJさん ロック・スターだ!夢のようなプールリーニング・タワーを登るためのギアをチェック


5月12日 ヨセミテへ移動
 リーニング・タワーを登るためのギアを念入りにチェックし、食料も確保した。そして、フォード・エクスペディシォンをレンタルして、ヨセミテへ向けて出発。なんとでかい車なのだろう。日本では決して乗ろうと思わない。陽が沈むころ、ヨセミテに着いた。Jさんのとっておきの場所でテントを張った。いよいよ明日、本番である。


5月13日 ルート変更
 朝、凍えるほど冷えた。これから天気は良くなる方へ向かうのだが、Jさんが「こんな冷える日に、ビッグウォールの中でビバークしたくない」という一言で計画変更。リーニング・タワーを止めて、ロスト・アロー・スパイアへ行くことになった。急な変更はいつものことだが、ちょっと面食らった。連れていってもらっているという身なので、Jさんの動物的な感を信じるしかない。

 ロスト・アロー・スパイアのロスト・アロー・ティップというルートはヨセミテ・ポイント付近から一旦70メートルほど懸垂下降し鞍部に着く。そこから尖塔を登り、そのトップから、ヨセミテ・ポイント付近にフィックスしたロープで、下まで600メートルはあろうかという空中をブランコ風にして渡るのだ。

 ヨセミテ国立公園に入り、トンネルを抜けると、写真で見たことのあるシーンがぱっと広がった。見事だ。

 まず、キャンプ4からヨセミテ・ポイントまで歩いて登る。とはいえロープとギア類を3人で担ぐのだが、すごく重い。ヨセミテ・フォールの水量は多く豪快に落ちてくる。途中で霧となり雨となってハイキング道に降ってくる。苦しんで登っている自分にはその雨が気持ちよかった。

 Jさんは体力があるので先に行ってしまった。Iさんと私はヒーヒー言いながら後から追いかけた。ここで私がトレイルを外してしまった。しかし、ヨセミテ・フォールの落ち口の橋を渡ったのでOKだろうと思っていたが、そうではなかった。
 ヨセミテ・ポイントへ着いてもJさんはいない。
 「J…, J…, J…」と叫んでも小鳥と風の音が聞こえるだけだ。ロスト・アロー・ティップへの下降ポイントへ行ってもいない。暫くすると、カンカンになって怒っているJさんが上がってきた。
 「ずっとトレイルの途中で待っていたのに来ない。なんでトレイルを外すんだ。2時間はロスしたじゃないか。」

 気まずい雰囲気だ。

 取り合えず70メートル懸垂下降して鞍部まで行ってみることにする。すごい高度感だ。600メートル切り立っている岩壁の頂上から下るのだ。ロープの長さは60メートルだから2本のロープを結んでそれを懸垂下降する。途中で結び目を通過しなければならないので2個のユマールを使って処理する。
 しかし、普段そのような練習をしていない私はうろたえた。頭の中ではわかっているつもりでも600メートルの高さでは体が動かない。ようやく鞍部に着くと思わず胃液が込み上げてきた。こんなこと初めてだ。

 なんでこんなところにいるのだろう。当初の予定なら、リーニング・タワーの途中にいるはずじゃないか。

 時刻は午後2時半。今日はここまで、ということに決まった。ギア類をここに置いて、明日、ここまで戻ってきて続きをやるという。
 とはいえ、今度は70メートル下ってきたこのロープをユマールで登り返さなければならない。ジョシュアトリで練習してきたとはいえ、にわか仕込みなのでうまくいかず四苦八苦。そして、これから標高差800メートルを歩いて下るのだ。
 キャンプ4へ着いたときにはヨレヨレ。明朝、トレイルを登り返すことを思うと気が鬱いだ。

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登山客と話をするIさん 左はヨセミテ・フォール Iさんの顔の右に見えるのがロスト・アロー・スパイア(尖塔の影が壁に映っている)ヨセミテ・フォールとハーフドームの絶景 ハーフドームの豪快さとヨセミテ・フォールの水流の繊細さはハイビジョン・カメラでも表現できないだろう 皆さん、ここに来て、この美しさを味わって下さいヨセミテ・ポイントで、「明日、絶対に登るぜ」と気合を入れるJさん Jさんの手首の右に見えるのがロスト・アロー・スパイア


5月14日 ロスト・アロー・ティップ
 朝4時に起床。昨夜は爆睡だった。キャンプ4で軽く朝食を取った後、歩き始めた。朝は涼しいし、昨日でトレイルはわかっているのでマイペースで歩くことができる。
 ヨセミテ・ポイント付近の木から懸垂下降して鞍部に着いた。フレズノに住む日本語のうまいJoさんたち2人が先に取り付いていた。

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70mを懸垂下降するIさん1ピッチ目をユマールでフォローするJoさん1ピッチ目をユマールでフォローするJoさん

 その後、Iさんが1ピッチ目をリードした。最初に、岩棚から回り込んでスパッと切れ立った岩壁に出るのが怖い。Jさんがフォローした後、私が3番目にユマールで登って、セッティングされたすべてのギアを回収した。ヨセミテ・フォールの壮大な瀑水が目の前に繰り広げられている。滝の下部では綺麗な虹がかかっている。2ピッチ目はJさんがリードし、Iさんがフォロー。そして、私が回収し、ロスト・アロー・スパイア(尖塔の頂上)に向かった。

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1ピッチ目をリードするIさん1ピッチ目をユマールでフォローするJさん2ピッチ目をユマールでフォローするIさん

 先に登ったJoさんたちはすでにヨセミテポイント付近の木に戻っている。だから、ロスト・アロー・スパイアの頂上にいるのは、JさんとIさんだけのはずだ。 が、そこにもうひとり見知らぬ人がいた。
 えっ、この人はどこから来たの? 頭は少し禿げていて、柔和で知的な感じだ。
 Iさん曰わく、「スエさん、こちらの方、知ってますよね。」
 「???」
 「写真家のハインツ・ザックさんです。ヨセミテ写真集の著者の‥‥」
 「えっ、あの有名な‥。」  Iさんから頂いた写真集を思い出した。
 すぐに握手をした。また、何故こんなところで‥。
 ハインツさんはロスト・アロー・スパイアの頂上に固定した1本のロープで懸垂下降の体勢に入り、ヨセミテ・ポイント付近の木につながったもう1本のロープも自分に固定した。これで懸垂すると自然に向こう側の岩壁(ヨセミテ・ポイント付近の木のある岩壁)に着く。その後はヨセミテ・ポイント付近の木につながったロープを使ってユマールで登り返した。それもあたかも何事もなかったかのように。まさに、きつねにつままられたような感じ。

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著名な写真家 ハインツ・ザックさんザックさんの空中トラバース空中トラバースの体勢に入るIさん

 Jさん曰わく、「同じようにすれば良い。」
 わかりやすいし、安全だし、体力をあまり使うこともない。
 こうやって、Jさん、私、Iさんの順に空中移動を楽しんで終了。握手を交わすのはどこの国も同じようだ。めでたし、めでたし。

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空中トラバースするIさん空中トラバース後、ユマールで登り返すIさん下山時のひととき


5月15日 ロサンゼルスへ戻る
 ヨセミテのレストランで夕食を済ませたのが、午後10時を過ぎた頃。Iさんが、「これからロサンゼルスへ戻ろう」と言って車に乗り込んだ。延々とドライブは続き、ロサンゼルスへ着いたのは午前3時を回った頃。運転をしたIさんとJさんは疲れているのに、よく居眠りもせず、無事に帰ってきたな、と感心した。
 シャワーを浴びて、寝床についたときは、小鳥が鳴き始め、窓の外は明るくなっていた。

 夕食はJさんのお父様に招待された。「さくら」という日本食レストランに入ったが、味はまったく日本と変わらない美味しいお店だ。私は、とんかつを注文したが、出てきたのは、とんかつ2枚にてんぷら。日本なら3食分である。でも、これらを全部食べちゃったのだから、自分の胃もアメリカサイズになってきた。
 Jさんのお父様の暖かいご招待に心から感謝します。

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夕食後、ハイウェイの橋下に行く食後の運動をするJさんここにはカモも来ていた


5月16日 デビルス・パンチボウル
 今日はデビルスパンチボウルへ行った。ここもジョシュアトリ同様、砂漠地帯にある。特に今日は暑い。40℃を越えているんじゃないだろうか。
 最初に、かぶってはいるが面白そうなDeminishing returns 5.12aをトライしたが、全然ダメ。体が重くて動かない。後は推して知るべしだ。
 ここの管理事務所には、梟や蛇が飼ってある。つまり、悪魔のパンチボウルの住人紹介だ。あまり邪魔しないように早々と退散した方が良さそうだ。

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Cracker 5.12abをリードするJさんNature walk 5.11a をリードするJさん Nature walk 5.11a をトライするIさん


5月17日 再び、マリブへ
 天気予報では、Super hotと言っていた。小川が流れるマリブへ行っても照り返すような暑さ。今日はPさんとスウェーデン人で日本に来たこともあるEさんも参加した。
 疲れが溜まっていることも重なって、モチベーションはゼロ。いくつか登っておしまい。

 帰りに、ファーストフードのメキシコ料理店に入り、ブリットを食べた。Jさんには申し訳ないが、口に合わなかった。

 サンドイッチ店にしろ、マクドナルドにしろ、メキシコ料理店にしろファーストフードの店は、すべて量だけがやたら多いジャンクフードだ。この国の人は量だけ食べれれば満足するのかしら?
 また、自分にとって、このファーストフード店は苦痛だった。パンの種類は何にするのか、野菜は何にするのか、ドレッシングは何にするのか、とやたら聞いてくる。その上、早口なので私には何を言ってるのかわからない。何度も聞き返せないので、苦痛はますます増大する。
 興味のありそうなものがあれば一生懸命に対応したいが、そうではない私にはどうでもいいのだ。Aランチ、Bランチといったら、勝手に作ってくれるものはないのだろうか。

 今回の旅行で、食事について振り返ってみると、自分の好みに合ったのは、ヨセミテ公園内のレストランで食べたステーキと、Jさんのお父様に招待された日本料理店のとんかつぐらいであろうか。ひとつひとつの素材の味を大切にし、それらの相性を巧みに生かし、創り出す。そのような面白さを感じる料理に出会えなかった。
 逆に考えると、自分が歳をとってきたということの証明かもしれない。


5月18日 帰国
 朝、目覚めると、Jさんの部屋の中だ。本当に長い間、この部屋にお世話になった。食器を洗うことと、ゴミを捨てることぐらいは出来るようになったが‥。
 昼前に空港まで送って頂いた。Jさん、2週間付きっきりで対応していただき、本当にありがとうございました。
 
 今回の旅行では何よりもビッグウォールのクライミングに魅せられた。クライミング自体もいろいろな技術を学ばなければいけないので大変なのだが、一方で、自然のスケールの大きさに圧倒された。
 ビデオカメラのファインダーにまったく入りきらないこの凄さをどのように表現するのか。カメラマンとしての腕も改めて問われることになった。まだまだ未熟だな、と痛感せざるを得ない。
 ここで受けた刺激を糧にして、今後もいろいろなことに挑戦してみたいと思う。

 最後に、改めて、JさんとIさんには本当にお世話になりました。御礼を申し上げます。

投稿者 sue_originalcv : 19:01 | コメント (3) | トラックバック

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