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2012年03月23日

たそがれクライマー奮闘記(5) クライミング・テクニック

 さて、引き出しをひとつひとつ開けていくのだが、それにはその土台となるものがある。それはあらゆるものに共通するように思える。ある人はそれをテクニック(技術)だという。そして、それが磨きに磨かれた段階に入ると美しいアートの世界になる。
 私がまったくの初心者のときに、鷹取山へ行ったことがある。当時、日本のチャンプであったTさんがハングしているマッシュを登っていた。クライムアップし、クライムダウンする。そして、左に、右にトラバースする。自由自在なのだ。圧巻だったのはルーフとなっている端までクライミングダウンしたとき、両足が空中にぶらりと下がっている。その状態で腹筋を使って脚を振り、その脚を垂直の壁にぴったりと付けた。そして、レスト。その後、再び、クライムアップしたのだった。
 それは「上手だ」とか、「すごい」とか言う言葉をはるかに超えたものだ。真っ白なキャンバスに向かって自由に描いてという状態。単に美しいというにはもったいないほどの美。

 私自身も永年、クライミングをし、また、ビデオカメラでクライマーを撮影してきた。難易度の高いルートを登るクライマーもたくさん見てきた。しかし、美しいと思えるクライマーは片手で数えるぐらいに少ない。何故、美しいのだろうか。その美しさの原点は何なのだろうか。私自身は下手なクライマーであるが、ビデオカメラマンとして、その思うところを次に述べていきたいと思う。

投稿者 sue_originalcv : 2012年03月23日 23:44

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